夏がだんだん長くなってきました。
風がひやっと気持ちよくて、過ごしやすい秋が待ち遠しい。夏も昔はもっと穏やかだったのかなあとうらめしく思いながら、うちわを扇ぐ日々。
秋を恋しく思う気持ちは、気温がぐんぐん上がっている現代ならではなのかと思えば、意外とそうでもないようです。百人一首では季節の中で秋の歌が一番多いそうで、めいめい秋の訪れに思いを寄せています。
そんな千年前から変わらない、夏と秋のはざまの感情に着目して、私たちからひとつの香りをお届けしました。
さて、あらためて緩衝材の香りを見つけてくださってありがとうございます。
緩衝材に香りを入れる、という試みは昨年からスタートしたものです。待っていても自分にぴったりおすすめの情報が舞い込んでくる今日このごろに、偶然の出会いがあってもいいのでは。そう思って、普段は注目されることの少ない緩衝材に香りを詰めてみました。
今年「知らない秋と出会う香り」としてお届けしたのは、シャルドネの香りです。
大人っぽいシャルドネと心地よいコットンに包まれるような、みずみずしく落ち着いた清潔感のある香り。
シャルドネはワインに使われることが多く、香りとしてはあまり馴染みがないかもしれません。でも秋は、知らない香りと出会うのがいいのでは、と思うのです。
夏のはじまりって、好きな人も苦手な人も、「またこの季節が来たな」と思いませんか。顔なじみで、気が付いたら肩を組んで歩いているような。
秋は一方で、ふと振り返るとそこに居たり、小さい気配を足元に見つけて拾ってみるような始まり方。夏休みが明けて久しぶりに会うと、少し日が空いただけなのにちょっと人見知りしてみたり。あれ?髪型変えた?と言ったり言われたり。でもその「知らない」が新鮮で、どこか心地よい。
いつのまにやら夏はどんどん長くなってきました。
振り返っても振り返っても、まだ秋が見えてこないよ、という人もいるかもしれません。
こうなったら、自分から秋を迎えに行きませんか。
まだ知らない香りをまとって、知らない自分の姿で。
知らない秋と出会う香り。
シャルドネ、デビューです。