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編集部コラム

【企業対談】働き方の未来をデザインする(ゲスト:カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社様)

コロナ禍で働き方が大きく変化する中、「発想が生まれ、シェアする場所」というコンセプトでSHARE LOUNGE事業を展開し、多くの人に支持されているカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 様(以下、CCC)。
企画者の在宅ワークをきっかけに、香りで働く環境を香りでサポートできないか、という想いから開発されたフィッツコンディショニングブランドを展開している株式会社フィッツコーポレーション(以下、FITS)。
今回は、両社の事業の共通項の1つでもある”働き方”の観点で、社内の働き方改革に関する取り組みから事業の話、未来への想いまで、幅広くお話をお伺いしました。

(写真左)
カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社
執行役員 CHRO
松浦俊雄 様

(写真右)
株式会社フィッツコーポレーション
執行役員
フィッツコンディショニング ブランド責任者
北澤明子 

「個人の時代」に、人々がインスパイアされる空間をつくることを目指した

―CCC様での「SHARE LOUNGE(シェアラウンジ)」について、どのような経緯や想いでスタートされたのでしょうか。

松浦様:コロナ禍前の2019年からスタートしている事業になりますが、今後、「個人の時代」になるのではないか、という環境の変化を捉えていました。

働き方の変化はもちろんのこと、人と人が対面で集い・共有しあえるような場が特に重要になると考え、「個人の時代」に人々がインスパイアされる空間をつくることを目指して生まれたのがSHARE LOUNGEです。「発想が生まれ、シェアする場所」というコンセプトを掲げています。

2019年、コロナ禍の前に、渋谷のスクランブルスクエアに1号店をオープン。

その後は、
TSUTAYA 田町駅前店(2020年7月)
湘南T-SITE(2020年7月)
TSUTAYA BOOKSTORE 福岡空港(2020年9月)
TSUTAYA 牧野高校前店(2020年10月)
TSUTAYA 新道東駅前店(2020年11月)
二子玉川 蔦屋家電(2021年2月)
TSUTAYA BOOKSTORE 川崎駅前店(2021年8月)
蔦屋書店 新潟万代(2021年8月)
TSUTAYA BOOKSTORE 松山店(2021年8月)※台湾・台北市
TSUTAYA 福岡西新店(2021年10月)
TSUTAYA BOOKSTORE 名鉄名古屋(2021年12月)
代官山 蔦屋書店(2021年12月)
TSUTAYA BOOKSTORE 下北沢(2022年3月)
と展開してきました。

―本日も対談の場として、代官山 蔦屋書店のSHARE LOUNGEを利用させていただいておりますが、様々な方がご利用いただいているように感じます。
 
松浦様:家の近所で働く場を求めている方もいらっしゃるだろうし、サークルや習い事等のコミュニティなど、個々のお客様のバックグランドに応じて、様々な使い方をされていると思います。まさに、個人の時代において、空間の使い方の編集権がお客様に移っていく、そんなお手伝いをさせてもらっていると感じています。
 
北澤:新しい出会いや事業も生まれそうですね。

松浦様:読書を通して、新しい発見やインスパイアされる場となったり、イベントスペースで行われるトークショーや様々なイベントを通じて、コンテンツのシェアや、出会いの場になってきています。

また、代官山 蔦屋書店SHARE LOUNGEは、4面全てに窓があるため、四季や時間帯での景色の違いを楽しむことができるのも、魅力の一つです。

北澤:オフィスでパソコンに向き合って1日が終わってしまうような働き方より、こういった空間を活用することでクリエイティブな思考も広がりそうですね。

松浦様:そうですね、時間・場所の使い方を自らが選択し、その先に気づきや出会いに繋がる。さらには、自身の未来に繋がっていくような空間になったら素敵だな、と思っています。

時代環境の変化に合わせて「自由」な働き方を実現

―仕事におけるオンライン・オフラインの考え方もコロナ禍で大きく変化しましたね。

松浦様:オンライン・オフラインの場作り、の視点で考えますと、「直接会うことの目的」がより明確になったと思います。単に情報をシェアするだけであれば、オンラインの方が効率的ですが、お互いの情報をシェアしあい、そこから新たなアイデアや構想を企画していくのであれば、対面の方が利点が多い。

北澤:オンライン・オフラインどちらが良いという話ではないですよね。

松浦様:今までは、そうしたことをあまり意識せずに、会議をセットしていた方もいたと思います。コロナ禍になって、自分自身も、この会議の目的は何か? そのための手段・場所は何がベストか? といったことを、より強く意識するようになりました。本来的には、コロナ禍前からやっておくべき大事なことでしたが、コロナ禍によってある種の制約が生まれたことで、より明確に意識するようになったことが、副産物としての気づきでしたね。

北澤:オンライン・オフラインを上手に組み合わせて「意識的な場づくり」ができるようになったことが、コミュニケーションの質につながっていますね。

―CCC様では働き方改革としてどのような取り組みをされてきたのでしょうか?

松浦様:コロナ禍前からも、段階的に取り組みを進めてきていました。社員は皆さん、会社以外の生活を抱えており、1日の中の一定の時間を仕事として我々のプラットフォームに預けてもらっていると考えています。会社以外の生活に、様々な制約条件を抱えられている中で、それとどう共存していくのか、それをどのように実現していくかが大事だと考えていました。

特に、育児や介護と仕事との両立を意識して、制度を拡張してきたのが初期の取り組みでした。保育園が見つけられない場合に、お子様が2歳の誕生日を迎える次の4月末までお休みできるのは、他社様と比べても、やや長めの支援と思います。介護と仕事の両立についても、従来のお休みできる期間の倍近くお休みできるような制度に変更しました。

お休みの期間を有効活用して、介護と仕事の両立について、しっかり考えて準備いただく期間にしてもらいたい、との意図も込めています。

その他にも、配偶者の定義に同性パートナーを含めることを始め、リモートワークの制度を拡充するなど、取組みを広げていってます。

―コロナ禍で大きく変化したことはありますか?

松浦様:コロナ禍では、社員の安心安全を第一優先に取組みを進めてまいりました。主にオフィス勤務の社員のうち、リモートワークを利用する社員が拡大した結果、オフィスの稼働率が30~40%程へと低下したことも踏まえ、オフィスPJを設置し、働き方の見直しに着手しました。「目的に応じて、働く場を自らデザインする集団へ」をコンセプトに、集まって仕事をする場である「オフィス」を、当時の6フロア→3フロアへと縮小することを決議し、現在に至っています。また、リモートワークを主体とする働き方を選択された場合には、通勤時の交通費は実費精算とし、代わりにリモートワーク手当(5,000円/月)を支給するなど、制度も変更しました。

今後も、社員により一層、選択権の幅が拡がっていくような施策の実現に向けて、チームのメンバーらと企画中です。

北澤:そういった働き方のアップデートは、社員の幸福度やモチベーション・生産性にも繋がるのではないかとも思います。

松浦様:生産性の高い環境は、取り組むテーマや職種、個々のバックグランド等によっても違います。なので、自身で判断をし、実行していけるような選択権や編集権を広げることは、大事だと思っています。CCCは、「自由」という価値観を大切にしている会社です。自由を得るためには、約束を守ったり、自分を律する自律の精神が必要と考えていますが、それを前提として、時代環境の変化に合わせて「自由」な働き方を模索し続けていきます。

社員一人一人にとっての企業文化「明日も行きたくなる会社」を目指す

―フィッツコーポレーションの働き方改革についてはいかがでしょうか?

北澤:フィッツコーポレーションは企業文化に「明日も行きたくなる会社」を掲げています。平均年齢31.9歳(2021年7月時点)と若いメンバーが多く集まる一方で、育児と仕事の両立をするメンバーが増えたりと、社内の状況も少しずつ変化していた中で、時間や場所を越え、一人でも多くのメンバーが明日も行きたくなる会社、明日も働きたいと思える環境を実現したい、という想いから、コロナ前から働き方改革はスタートしています。

リモートワーク/フレックス勤務の社内プロジェクトの立ち上げと、数名のママさんのリモートワークトライアルを実施。その3か月後の2019年7月以降は、外出の多い営業メンバーや輸入業務で海外とのやりとりが多く発生するメンバーへのフレックス勤務トライアルを実施など、リモートワークフィジビリティ拡大をしてきていました。

―コロナ禍で大きく変化したことはありますか?

北澤:新型コロナウイルスの影響を受けて、2020年3月から、「感染防止対策」を最優先とした、全社員のリモートワーク・時差出勤をスタートしました。また緊急事態宣言を見据えて、いち早く全社員を自宅勤務へと移行しました。

早急にリモートワーク環境を整える必要があったため、特別手当として準備金10,000円を支給、さらにネットワーク環境手当として5000円/月を全社員へ支給しました。また、ネットワーク環境手当5,000円に関しては、リモートワーク支援制度として現在も継続しています。

 また、リモートワーク環境下での働き方が徐々に定着してタイミングから、“全ての社員が十分に能力を発揮できる環境づくり”をテーマにリモート下における様々な環境に対して一つ一つ解決するべく、2週間に一度アンケートを取り社員の声を基に毎月施策を追加、役割間での創意工夫によって、リモートワーク下での働く環境のバージョンアップを実施してきました。

(例)
・リモートワーク長期化対応として、特別休暇を付与
・育児・介護を対象とした、フレックス勤務開始
・リモートワークへのストレス負荷軽減を目的に、1日2時間休憩実施
・営業活動、店頭対応などの業務への特別手当支給
・自宅外リモートワーク開始(出産・介護など、実家などでも勤務できるように)
・コミュニケーション活性を目的とし、部署外接点・出社者ランチなどコミュニケーション手当導入

 リモートワーク以外での取り組みとして、2020年4月、緊急事態宣言が発令され、社会的にも社内的にも大きな変化が起こった中で、心の豊かさや社員同士のつながりも大切にしていきたい、そして何よりも、香りを扱う会社だからこそ今の世の中を少しでもポジティブにできることはないか、という意見が社内から多数生まれました。そうした経緯により、リモートワーク中のFITS社員たちがそれぞれの立場から、今の生活で取り入れている香りの楽しみ方や、香りにまつわるコラムをお届けしていく「香りバトン」を開始し、100本以上を連載しました。

全社リモート化のきっかけこそ感染症対策としてでしたが、当社ではそれ以前の2019年から働き方改革の取り組みをスタートしており、約2年間掛けて、リモートワークを中心に、福利厚生の見直しからコミュニケーション変革までを行ってきました。

仕組みだけでなく心の繋がりを大切に、これからも働き方改革スタート時の想いである、社員一人一人にとっての企業文化「明日も行きたくなる会社」を目指していきたいと考えています。

司会:様々な取り組みをされていますね。

北澤:コロナ前での取り組みでは、一部の対象者のみでリモートワークをスタートしていたが、あまり思うように進まなかったのですが、コロナ禍をきっかけに全社で取り組むことで一気に進化したように思います。

松浦様:そうですね。当社も、当初は育児や介護を理由とした一定の方々を対象に進めてきたところもありますが、その人達にとっては快適でも、周りの人は逆の意味での制約になる可能性もあります。我々の場合は、その中で、ともに価値を生み出せる方法が何かをチーム単位で工夫して、そのナレッジを横展開していくことで価値が広まったと感じています。

北澤:働く場を広げていくチャレンジもしていきたいと考えています。現在は、FITSも出社率が2割程度なのですが、フリーアドレス化も進めています。

松浦様:良いですね。CCCの場合は、都内近郊にSHARE LOUNGE機能があるので、有効活用しています。現在は200名ほどが登録をして活用をしてもらっている状況です。完全オフィスレスにして、全員がリモートワークしている部門もあります。目的に応じてSHARE LOUNGEで会ったり、オフィス内にあるカフェエリア等を活用しているそうです。

社会にある課題を香りで解決していく

―香りで気持ちを切り替えるための空間の環境サポート、という考え方は面白いなと思いました。開発のきっかけは何でしょうか?

北澤:開発のきっかけは、企画者がコロナ禍でスタートした在宅ワークを経験したことからでした。仕事をする場所と生活する場所が同空間でしたので、同じ場所で瞬時に仕事モードに切り替える、もしくは休憩などへの切り替えなどの、オン・オフの切り替えがとても大変でした。もともと4〜5年前から「フィッツスポーツ(FITS SPORTS)」というスポーツ選手のパフォーマンスアップに寄与する機能性香料を開発してきていたので、スポーツだけでなく、ビジネスシーンや学習の場でも香りの力を生かせるのでは、と考えました。独自に開発した機能性香料を、リモートワークやライフスタイルに応用したのが「フィッツコンディショニング」です。古賀良彦・杏林大学医学部精神神経学教室名誉教授・医学博士に監修していただき、「社会にある課題を香りで解決していく」というミッションを掲げ、“コンディションを整える”フレグランスを手掛けました。

―確かにこういった悩みは多そうですね。実際に開発した際の苦労やこだわりはありましたか?

北澤:特にスプレー開発にはこだわりました。オン・オフの切り替えということを実現するために、一番重要視したのは、“一つの空間“で“瞬間的”にオン・オフの切り替えができるかということでした。そのためには、「瞬間的に広がる香りの“心地よい強さ(キレの良さ)”」と「残香性の低さ」の実現が必須でした。ある程度香りを強くすると、それに比例して残香性は高くなるので、ここは本当に苦労し、試作を何度も繰り返しました。

また、今回は集中とリラックスの2種類の機能性香料を展開している点にもこだわりがあります。毎日の生活の中で常にベストなコンディションを保つには、集中とリラックスをその時々の状況に合わせて切り替える必要があります。例えば、仕事中に集中力が低下しそうな場面では、エクストラフォーカスの香りを使ってみることで、気分をリフレッシュしてみたり、休憩が必要と判断した場合には、エクストラリラックスの香りを楽しむと良いと思います。利便性が高いスプレータイプは、その時々の状況の変化に応じて、さっとオン・オフを切り替えるのにも、とても役に立つと思います。

―実際発売開始をして、使用者の声はどうでしたか?

北澤:2021年11月13日~12月25日の期間でTSUTAYABOOKSTORE渋谷スクランブルスクエア店のシェアラウンジにも設置させていただき、ビジネスワーカーの働くサポートもさせていただきました。

・香りと集中力、あまり関係性を考えていなかったですが、こんな商品があっても良いとは思います。
・香りがよく自然と気持ちの切り替えができました。
・香りの強度が適度で、意識と無意識のはざまで、薄いベールを纏う感じで心地よいと思いました。ふと息を抜くと感じられて、息を抜いたタイミングが自覚できるのが面白い。
などの嬉しい声もいただきました。

最後に

司会:会社が働き方をデザインすること、働く場所や時間といった制約を超えて多様的な働き方を個人で自律的にデザインしていくことは大事ですね。また、そういった取り組みを社内だけではなく、お客様などの社外に対して、事業としてもデザインされているのも素晴らしいと思いました。

松浦様:CCCは、世界一の企画会社をヴィジョンに掲げていますが、時代環境の変化を捉えて、お客様の課題を解決する会社です。お客様の課題に対して、社員の一人一人が企画者として、自らの持っている人脈・経験をフルに活用して、お客様の課題を解決していく集団、言い換えれば「個人タクシーの群れ」のように、自らの判断で行動できる流動性と、本部と連携して情報をシェアしあえるような集団でありたいと思っています。私自身も、社員1人1人のwillに向き合い、それを形にしていくことを支援していく存在となるべく、取組みを進化させてまいります。また、SHARELOUNGEを通して、一人一人の働き方がもっと自由になるように、仕事にクリエイティビティが生まれるように願っています。

北澤:FITSは、既存のブランドの枠を越えて香りの新たな市場を開拓するパイオニアでありたいし、「社会の課題を香りの力で解決したい」という強い想いもあります。香りは目に見えないからこその難しさと、面白さがあります。嗅覚は五感の中で唯一本能に直結して感じられる器官でありながら、まだまだ未開拓な分野でもありますし、だからこそ可能性はあるし、香りの世界を広げていきたいと思っています。

司会:素敵なお話をありがとうございました。

 

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