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編集部コラム

フレグランスのトレンド「紅茶」の香りの魅力に迫る!【ゲスト:三井農林株式会社様・フレグランスアドバイザーMAHO様】

昨今、香水や日用品など様々なアイテムにTEA(紅茶)の香りが使われているのはみなさまもご存じかと思いますが、実は弊社からも「フィッツホームフレグランス トレンドエディション アールグレイ」を2022年2月4日から販売開始いたしました。

今回は、この新商品の発売をきっかけに、改めてフレグランス業界におけるTEAの香りの魅力を、「日東紅茶」ブランドをはじめ、さまざまな紅茶を取り扱われている三井農林株式会社の村野さまと、フレグランスアドバイザーであるMAHO様をゲストにお迎えして、飲料業界から見たTEAの魅力やフレグランス観点での香りの魅力を語っていただきました。

フレグランスアドバイザー・日本フレグランス協会常任講師
 MAHO 様

フレグランス関連企業を経て独立。
メディアやイベントセミナー、スタッフトレーニングのサポートを通し、嗅覚感性や香水の魅力について、ブランドの垣根を越えてアドバイスを行う。
日本調香技術普及協会理事。

三井農林株式会社 経営企画部 プロモーション室室長
日本紅茶協会認定シニアティーインストラクター

村野 かをる 様

TEAの香りはフレグランス業界ではトレンドになっている

MAHOさん、フレグランスにおけるTEAの香りトレンドについて教えてください。

MAHOさん:フレグランス業界のティーの歴史としては、フードやドリンクなど既に経験している安心感や、安らぎを与えてくれる香りとして、TEAの香りにインスパイアされた香水が1900年代から受け入れられるようになっています。中でも、Bvlgari のEau Parfumeeの緑茶をイメージした香水や、ダージリンティーをキーにしたBvlgari Pour Hommeなど、ティーノートを持つ香水の、控え目で上品な爽やかさが大ヒットした商品として挙げられます。

日本でも馴染み深い“茶”の香りは、香水が苦手だったという人にも受け入れられていると思います。近年ではロジェガレやエルメスの香水などでTEAの香りが使われていたり、柔軟剤やシャンプーなど日常的に使われているアイテムへの香りにもTEAの香りが応用して使われることも多く見られるようになってきています。

紅茶はエレガントでみずみずしく、デリケートな香り。品種や産地、着香といったバリエーションが豊かで、嗜好性が高められることから、フレグランスのテーマとしてトレンドが続いているし、定番化していくと思われます。

飲料における紅茶のトレンドは?

村野さん、飲料業界から見る紅茶のトレンドや魅力についてはいかがでしょうか?

村野さん:2020年の新型コロナウイルス感染拡大により、おうち時間が増えたということで、家庭用の紅茶市場は2020年は増加、2021年に入っては、やや落ち着いてきた感じがあります。特に、コロナ禍の影響で、健康・機能性に意識が高まっているせいか、カフェインレスなどが好調です。

また、時間に少し余裕ができて、お家時間の充実といった観点で、ちょっとひと手間かけてリーフティーを淹れてみようという方が増えたのか、リーフティーの市場も好調でした。外食できない分、おうちで紅茶を楽しもうという方が増え、結果的に、業界でいう家庭用の紅茶市場が伸長したということだと思われます。

外食でもここ数年間にわたって、紅茶に関わる様々なブームが生まれています。先ずは「タピオカミルクティー」。台湾カフェのメニューで2017年頃から徐々に流行り出し、2019年にはスタンドスタイルの店も次々出て、誰もが記憶する流行になりました。そして最近流行っているのが「ヌン活」、アフタヌーンティーです。ホテルや紅茶専門店などである程の人気ではありましたが、特にこだわりのスイーツやセイボリーはインスタ映えすることもあり人気があったところから、コロナ禍でさらに拡大し、人気店では新メニューが出るとすぐに予約が埋まってしまうほどだそうです。

紅茶市場としても増加傾向ということですが、紅茶の中でもどの種類が人気なのでしょうか?

村野さん:スタンダードなブレンドタイプが圧倒的に売れております。紅茶そのものの香りと味わいを楽しむものです。日東紅茶ブランドでいうと黄色いパッケージと赤いポットでお馴染みの「デイリークラブ」というティーバッグの商品がございます。リーフティーで言えば日本で一番売れている「こく味のある紅茶」。こういったものがブレンドタイプの商品です。※インテージSRI調べ 紅茶(リーフティー)市場 2019年1月~2021年12月

▲日東紅茶 デイリークラブ20袋入りとこく味のある紅茶135g

そして、紅茶の世界でもう一つ忘れてはならないのが、香りを人工的につけたフレーバーティーのカテゴリーです。その中で、特に人気なのがアールグレイです。紅茶というとアールグレイの香りを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

このアールグレイ、実は日本では2000年頃から非常に人気が出て市場が大きくなってきたフレーバーなのです。直近の2021年のデータですと、ティーバッグとリーフティーの市場においては、14%がアールグレイフレーバーとなっております。ブレンドタイプに次ぐシェアで、かなり大きいボリュームです。過去のデータを遡ると、2000年の手前では7%前後のシェアでしたので、この20年でシェアが2倍に増加としたということになります。

紅茶ティーバッグおよびリーフのフレーバー別推計販売金額シェア(インテージSRI調べ 2021年1月~12月)

▲様々なアールグレイ商品(日東紅茶ブランド)

アールグレイはベルガモットという柑橘の香りをつけたフレーバーティー

アールグレイはベルガモットという柑橘の香りをつけたフレーバーティーのことを呼びます。なぜベルガモットティーではなく、アールグレイなの?と思いますよね?これは、諸説あるのですが、1830年代のイギリスの宰相であったチャールズグレイ伯爵。彼が中国に送った使節団が持ち帰った紅茶を大変気に入り、その特有の香りをなんとか再現したいと考え、イギリスでブレンドを開発させ、その香りを気に入りグレイ伯爵の名前をつけて「アールグレイ」と呼ばれるようになったといわれています。

「アール」は「伯爵」という意味。グレイ伯爵が開発させ愛飲したから「アールグレイ」と呼ばれるようになったんですね。そのレシピは、茶に南イタリア原産のベルガモットの果皮からとった香りをつけたものとされ、今日に至ります。

▲ベルガモットの果実

MAHOさん:ベルガモットの香りは、フレグランスの素材としても欠かせないアイテムです。柑橘系ではありつつも、特徴的なのがフローラルのトーンも含まれています。香りをとるために栽培されているので、いかに魅力的な香りかがわかると思います。

村野さん:ベルガモット、果実は苦味が強く食用に向かないと言われており、果皮からとった香油を活用することが多いですよね。MAHOさん、ベルガモット食べたことありますか?私は、静岡産のベルガモットを一度口にしたことがあって、思ったより、苦味は弱かったのですが、食用には向かないのかなという感じでしたね。

紅茶の香りの機能性について

ところで三井農林さまは、紅茶を製造販売されているだけではなく、日本の紅茶メーカーで唯一研究所をお持ちでいらっしゃいまして、そちらで香りの研究を行われているとのことです。どのような研究をされているのでしょうか?

村野さん:   一つ目が、紅茶の香りの可視化です。こちらの図は当社が開発した「紅茶のキャラクターホイール」というものです。紅茶の美味しさは、「香り」、「味」そして「水色」の3つの要素で表されます。人によって表現が異なってしまいがちなこれらの特徴について、多くの方がイメージしやすい用語で共通認識を持ち、表現できるようにするコミュニケーションツールとしてこのキャラクターホイールを生み出したのです。

▲紅茶キャラクターホイール

弊社では睡眠と紅茶の香りについて研究をしております。眠るときに紅茶の香りを嗅ぐことで、スムーズな眠りにつながることも確認されています。こちらで示している実験では、ダージリン・セカンドフラッシュの香りだけを取り出したアロマウォーターを超音波式ディフューザーで拡散させました。天然の紅茶の香りは就寝時も気にならず、快適に感じられたのではないかと思います。

実験データの図1はふとんに入ってから眠りにつくまでの時間が短縮されたこと、図2は目が覚めてふとんから起き上がるまでの時間が短縮されたこと、図3は総睡眠時間が延長したこと、図4は睡眠効率が上昇したことを示しています。(紅茶の香りがストレス意識の高い女性の睡眠に及ぼす効果, 日本生理人類学会誌 Vol.25, No.2, 2020, 5, p.23-32)

フィッツホームフレグランスより【アールグレイの香り】のルームフレグランス登場       

三井農林様からお話がありましたように、日本でも根強い人気を誇るアールグレイですが、フィッツコーポレーションより展開しておりますブランド、フィッツホームフレグランスより、2月4日に【アールグレイの香り】のルームフレグランスが新発売されます。

フィッツホームフレグランスは「skin to life」肌から暮らしへ、をコンセプトに2019年から展開を開始しているルームフレグランスブランドです。日本人の嗜好性に合う香水作りをしてきた弊社の人気ブランドの香水をベースに、トリクルダウン製法という空間用フレグランスへ調合することで、香水ならではの繊細な香りをそのまま楽しめるアイテムとなっています。

今回は、トレンドエディションということで、香水市場のトレンドからインスパイアされた新たな香り「アールグレイ」を発売いたします。三井農林様からのお話しにもありました通り、アールグレイには、ベルガモット(柑橘類)のフレーバーがつけられているのが特徴です、今回のこちらの商品にも、フレーバーで使われるベルガモットやレモンの柑橘系ティーノートをベースに、ジャスミンやムスクで華やかさと深みを加えています。温かみとリラックス空間を演出する香りに仕上げました。

トップで広がる爽やかな香りはもちろん、ルームフレグランスとしてお部屋でもしっかり香り立つように、ウッディアンバーとムスクで底からボリュームを持たせ、残香性を高めています。また、ティー香調の中でも落ち着きのある香りなので洋室、和室等様々な空間にもマッチすると思います。季節や気分に合わせて、お部屋の香りもぜひ着替えて楽しんでいただきたいと思っています。

村野さん:実は一足早くお試しで使わせていただきました。シトラスのさわやかな香り、その中でベルガモットの香りが感じられ、家族からも評判は良く、年齢や男女関係なく良い香りなんだな、と感じました。

MAHOさん:ルームフレグランスでは、どの場所にどの香りを置くのがオススメなのか、というご質問を多くいただきます。住環境・家族環境などによっても変わってきますが、キッチン/リビングダイニングなど食事をする空間では、食事の際に邪魔にならないような柑橘系などの香り、寝室は落ち着けるような香りが良いと思います。そう考えると、TEAの香りは、ベルガモットの柑橘系の香り・落ち着きのある香りでもあるので、どの場所にも使いやすいアイテムだと思います。香水市場における紅茶の香りはトレンドではありつつも、実はリードディフューザーの紅茶の香りは珍しいので、新生活シーズンやギフトにも使いやすいと思います。

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